ありがとう小橋選手! 鉄人伝説ついに終幕
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ありがとう小橋選手! 鉄人伝説ついに終幕

(2013年7月8日)

小橋建太

試合終了後、大歓声に笑顔で応える小橋選手 (2013年5月11日 日本武道館)

  スポーツ実績もなく、一度は書類選考に落とされながら、夢を諦めなかった。入門してからも、どんな選手より練習を重ねた。「小橋に抜かれるならしょうがない」。そう思わせるだけの練習量は、誰にも真似できなかった。そして、何度も挫折を味わいながらも努力を惜しまなかった。夢を現実逃避にすることなく、小橋選手はヒーローになった。
  引退試合では、惜しげもなく逆水平チョップを放ち、かつてのフェイバリットムーヴであるローリングクレイドルを披露すると、館内は大歓声に包まれた。最後はムーンサルトで有終の美を飾った。39分59秒の激闘は、小橋選手のプロレス人生における辞世の句である。
  「小橋建太のプロレスができなくなった」
  小橋選手は、そう言って引退を決意した。言葉にすると簡単なようだが、これは実に難しい。時代についていけないのに神輿にどっかり座りっぱなしなんて人は、この世の中にたくさんいる。自分だけは、自分の仕事ができると思いたい。だって、それがプライドであり存在価値だから。それを振り切って引き際と向き合うのは、本当に困難である。
  最後の最後まで、小橋選手はカッコいい。


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